子どもに(大人も)結果を出させるマジックワード


塾講師のケイです。

僕は、定期テストや受験前の子どもに対して、特に結果を出すのが微妙な子どもに対しては必ずと言っていいほど「マジックワード」を使います。
この「マジックワード」を使うのと、使わないのとでは、結果が逆転しかねない、それくらいの強烈なマジックワードです。
このワードの効果は強烈にプラスに働きます。

ですが、この「マジックワード」、実は簡単には使いこなせません。
また、使いどころも重要で、タイミングをずらすことはできません。
さらに、使った本人に、リスクを伴います。

僕は、このワードを別に出し惜しみしませんし、他の講師にも「使ってごらんよ」と伝えています。
ですが、
「そんな、怖くて使えませんよ」
となることが多いです。それだけのリスクがあるのです。

では、この「マジックワード」の正体は何でしょうか。
  

言葉で「保証」を与える

実は
「今のお前なら大丈夫」
「今のお前なら必ず~点とれる」
「今のお前なら、絶対合格する」
つまり、その子どもに保証を与えるのです。絶対にイケル、と。

どうでしょう、「なんだ、そんなもんか」と思われましたか?
それとも、「いやいや、そんなこと言って、結果が出なければどうするんだ、恐ろしい」と思いますか?
その通りです。
たったそれだけでもあり、それだけのリスクを伴います。
塾講師であれば、なおさらです。
そんなことを言って、結果が出なければ、信用が丸つぶれ、子どもから嘘つき呼ばわりされるではないか、
と普通思うでしょう。

だから、僕は、このワードを使うときの使いどころをしっかり考えて発しているのです。

この「今のお前ならイケル、大丈夫」という言葉、これは、その子がそれなりに頑張っていなければ使ってはいけません。
つまり、頑張っているんだが、本人がいまいち自信を持っていない、
そんな時に使うことで効果を発揮します。
僕は、一種のマインドコントロールだと思っています。
声をかけられた子どもは、まずは「そんなはずはない」「根拠がない」と疑ってくる時もあります。
でも、よく考えてください。
「今のお前ならイケル、心配するな」と声をかけて、「そんなはずはない」「根拠がない」などと返してくる子どもの心理です。
彼らは、そのまま試験に向かったとき、結果を出すことができるでしょうか。
おそらく、結果を出せないのです。
なぜか。
気持ちがすでに折れている、あきらめが入っているからです。

言葉で「不安」をかき消すことに意味がある

子どもだろうと、大人だろうと、自分の力を試すとき、不安で仕方がないはずです。
その不安の中、不安を解決するために、あなたなら何が欲しいですか?
それは、「結果の確証」ではないですか?
そう、自分なら結果を出すことができる、その確信が欲しい、欲しいはずです。
ですが、自分一人でその段階までメンタルを持っていくことはなかなか難しい。
よく、「自分を信じろ」とは言いますが、
例えば、まだ一度も結果を出したことのないのであれば、自分を信じることは相当に難しいでしょう。
成功体験がないからです。
イチローなどが自分を信じるのとは、次元が違う、という訳です。

不安は行動を抑制し、思考を鈍らせ、ミスを呼びます。
そして、「頑張ったのに、結果が出なかった」という最悪の不成功体験を手にする可能性があります。
「頑張ったのにできなかった」、この体験は、今後、「努力をしても無駄」という偏向思考を生み出しかねないのです。

だから言うのです。「今のお前なら大丈夫だ」、と。
もうお気づきの方はいると思いますが、「今のお前なら・・・」というワードが必ず入っています。
これは、実は、「君のことをしっかり見ていたんだよ、だから、今の君なら・・・」という暗示が入っています。
言葉をかけたこちらに対する信頼感情を引き出すためです。
信頼をした相手の言い分は信じたくなります。
おまけに、待ちに待っていた「結果の確証」です。
ここで安心するのです。「今の僕ならできるかも」と。

マジックワードの真価

面白いことに、このマジックワードをかけた子どもは、声をかけられたからといって、それから手を抜こうとはしません。
信頼してくれた人の信頼にこたえるため、全力を尽くそうとします。
これがこのマジックワードの醍醐味であり、また、マジックワードを使った人の能力が必要な部分でもあります。
それは、
このマジックワードを使うからには、本当に「君は大丈夫」という想いを乗せて伝えなければ、伝わらない、ということです。
子どもは感受性の生き物です。
大人のうわべだけの言葉などは、大人が思っている以上に簡単に見抜いてしまいます。
僕が「簡単には使いこなせない」と言ったのは、このためです。
マジックワードを使った方が「本当に、この子がイケル」と思っているか。もしくは、思おうとしているか。
先ほども述べたように、このマジックワードの真価は、
「声をかけられても、信頼してくれた人の信頼にこたえるために、全力を尽くそうとする」ところにあります。
つまり、マジックワードを使った時点では若干の不安要素があったとしても、その後の努力で大逆転をすることさえある、ということです。

実際にあったことをお話しします。
英語の苦手な中2の男の子がいました。
僕が教えていて、ずいぶん成長したな、と思っていました。
その子が「英検を受ける」と言ってきました。
てっきり、中2なので「4級」だと思っていました。
申込用紙を見ずに、その子を4級に申し込んでしまったのです。
実は、その子も、その子の親も、「5級」を受けさせるつもりでいました。
それがわかったのは、試験の前日です。
そうとう焦りましたね。
成功体験を得させて、苦手意識を払しょくするためだ、と、その子の親御様は言われていました。
若干、怒っていました。当然ですが(汗)
手続きで5級にすることは可能でした。が、僕はその子には4級が受かるレベルの英語力はあるのではないか、と前々から思っていました。
思っていたから、手続きを間違えたのですが。
僕は、その子に伝えました。
「5級に変えることはできると思う。でも、今のお前なら、4級に受かる。4級を受けてみないか?」
最初は渋っていましたね。
ですが、僕が何度も「受かるはずだ」と言っていたら、「なら、今から4級の特訓をさせてくれ」と言い始めました。
試験前日ですよ。
僕は、3年分の過去問を与え、リスニングテストの準備もしました。
その子は、その3年分を、前日にやりましたよ。
やって、自分の中でも「いける」と感じたようです。
結局、級を変えず、4級を受験しました。
みごとに受かりました。

マジックワードで結果が出なかった場合

この場合は、受かったから事なきを得ました。
では、不合格の場合はどうなるのでしょうか。
嘘つき呼ばわりをされると思いますか?
実は、ここまで信頼してなされたマジックワードで、たとえ結果が出なかったとしても、不満が出ないことがほとんどです。
なぜでしょうか?
考えてみてください。
あなたに上司から「君ならできる、大丈夫だ、信頼している」と言われて仕事を任されたとしましょう。それでその仕事が思ったほどうまくいかなかったとき、あなたは言った上司に対して不満を持つでしょうか?
・・・ということです。信頼を一身に受けた時、それにこたえられなかった時は、自分を反省するか、期待にこたえられなかったことを悔しく思うか、になるはずです。

このようなこともありました。
大学入試で前期試験に落ちてしまった女の子がいました。
後期試験は小論文。
教えていましたが、相当筋が悪く、正直、厳しい、というのが僕の感想でした。
ですが、書く度に、少しづつ文体が整ってきてはいました。
だから、マジックワードを使ったのです。
「よくやった。今のお前なら、他の受験生に負けるわけがない。全力で行ってこい。」と。
結果は不合格。可能性を少し残していたのですが、やはり・・・と思っていた矢先でした。
その子がお母さんと一緒に笑顔で塾にやってきました。そして、言ったんですね。
「辛いとき、先生の言葉が自信になっていました。悔いはありません。」
と。
これほど嬉しく思ったことはありません。
彼女は、滑り止めの私大でしっかり勉強し、英語の教師になりました。

最後に

いかがでしょう、マジックワード。おそらく、子どもにも、そして、部下を持たれた上司の方にも使えるのではないでしょうか。
ですが、一番大切なのは、本当にその子を「信じる」ことです。
気持ちが入って、はじめて「マジック」となります。

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