提出物と忘れ物 それは子どもの責任ですか?


塾講師のケイです。

保護者面談・・・
学校の先生から、突然、
「○○くん、提出物がほとんど出ていないんですよね。」
と切り出された経験はありませんか?

ええ~!!
と、そこで自身のお子様が、提出物や宿題をしていない事実を知らされ、
挙句に、
「すいません、お母さん、このままでは内申点を下げざるを得ないんですね・・・」
と。

ええ~!!
と、2度、驚くわけです。
まさか、内申点(通知表ですね)まで下げられるなんて・・・
うちの子に限って、そんな・・・

という経験、ありませんか?

  

提出物と内申点

内申点は、高校生では、さほど問題になりません。
実力で大学入試を突破できるのであれば、
内申点は低くても、
実力さえあればいいのです、
実力さえあれば。。。

中学生で内申点が下げられる、というのは、
進路に大きく影響する場合があります。
最近、私立高校では、
自校のイメージアップのため、
内申点のよくない生徒を避ける傾向が見られます。

まず、「1」がつけば、私立はその生徒をまず、とりません。
今は「絶対評価」、提出物を出していて、授業をまじめに受けていれば「3」は普通です。
だから、
「2」も、本当は怖い。

公立高校は、私立に比べて実力主義のところもありますが、
商業、工業といった職業高校では、
内申点を評価する傾向が強い
のです。

おそるべき、提出物、おそるべき、忘れ物。。。

提出物は子どもの責任か?

では、その提出物を出していないお子様は、ガツンと怒って、
携帯、スマホを取り上げ、
提出物をなぜ出さないのか、徹底追及するべきでしょうか?

確かに、確信犯がいないわけでもありません。
「めんどくさい」
「だるい」
で、親の顔に泥をぬるお子様もいらっしゃるでしょう。

僕は、そのようなたるんだ感じのお子様には、
徹底的に凄むようにしていました。

生半可ではなめられますから、
塾を辞めるか、辞めないか・・・
ぎりぎりのラインで攻め込み、
あとは、提出物の管理を、家庭と協力しながら、徹底しました。

・・・ただ、ここで気を付けなければならないのは、
お子様が、自分の意思とは無関係に
忘れ物を繰り返す場合
がある、ということです。
「注意欠陥障害」、つまり、「広汎性発達障害」、もしくは、そのの可能性がある場合です。

まだ、発達障害の診断が浸透している訳ではありません。
気になる部分はあるけれども、診断などはスルーしてきた、
そのような子どもは少なくありません。
いわゆる、「グレーゾーン」です。

ですが、僕は、子どもを病院に連れていき、発達検査をさせなさい、というわけではありません。
検査を受けて、忘れ物が解決するわけでもありません。

人はだれでも「得意」「不得意」を持っています。
運動神経が良い子もいれば、
すさまじく足の遅い子や、
まったく泳げない子もいます。
授業を聞くだけで、勉強をほとんどしなくても、テストで満点をとる子もいます。
ですが、何度説明しても、数式が頭に入らない子もいます。

そんな子と同じように、社会生活上でも、
整理整頓ができる子と、できない子、
じっとしていられる子と、していられない子、
そして、
提出物が出せる子と、出せない子(出せない、というよりは、提出物の整理整頓ができない)
も、やはりいる
のです。

学校での評価は、フラットです。
つまり、提出物は出せるはずだ、という潜在概念があり、
出せないのであれば、減点します、
ということになります。
そのような態度をとる子供の責任、
加えて、躾のなっていない親の責任、としてしまいます。

はっきりいって、現状の小中学校は、
発達障害児の理解が十分にはなされていません。

黒板の隅に提出物を走り書きしたり、
口頭で伝えるだけのときもあると聞きます。
テスト前には、テスト範囲として、提出物の羅列したプリントが配られますが、
直前にしてはやたら量が多く、
「なぜ、前もって宿題にしてないの?」と疑問に思うこともしばしばです。
一度に多くの宿題が出されると、容易には頭の中で整理できません。
定期テスト後の忘れ物が多いのは、直前の課題の量が多いことが原因の一つです。

発達障害を持っていれば、視覚優位が強いですから、
口頭伝達はほぼ、意味を成しません。
走り書きは、書いていないのと同じことです。

まず、1.提出物の忘れ物を繰り返すお子様をお持ちで、
2.身の回りの整理整頓が出来ていなければ
おそらく、その子は提出物を整理しきれていません。
その子の「整理能力」を超えているからです。

では、整理整頓が出来ないのは、その子の怠慢でしょうか?
いえ、それだけではなく、
どこに何をしまうか、どこに何を置くか、という、
空間認知が欠けている場合もあるのです。

足が遅い子に、「なんでそんなに遅いの!!運動不足でしょう!」と言ったらどうでしょうか?
泳げない子に、「ほかの子はできているのに、君は泳げないとは、努力の足りない証拠だな」と言えますか?
努力による改善はできるでしょうが、言われた本人はショックです。
望んで運動音痴となったわけではないのです。

整理整頓、忘れ物も同じ土台だと思ってください。
スムーズにできる子もいます。
ですが、
相当の努力をしないと、どうにもならない子もいるのです。
それを、単に子供の責任といえるでしょうか?
また、一概に親の責任といえるでしょうか?

私は「言えない」と断言します。
だから、そのような子供たちを守るためのプログラムが必要だと考えるのです。

提出物を出させるためのプログラム

まず、提出物を子どもが把握できていない場合、その旨を学校に伝えてください。
担任の先生だけでなく、校長先生や教頭先生を巻き込むといいでしょう。
あくまでも、協力を願うのです。
だから、下手に、穏便に話を進めます。
そして、提出物を一覧にしてもらうよう、お願いしてみましょう。
あとは、
その一覧を参考に、子どもと協力して提出物を出せるように確認の作業を徹底します。

整理整頓の苦手な子どもは、空間の把握が弱い傾向があります。
だから、
教科ごとにしまう場所を決めてしまうのは、紛失物を減らすのに効果的です。
何が入っているか明確になるように、しるしをつけておきましょう。
「国語」「数学」「英語」「その他」など。

学校に教科書など持っていく際、
教科ごとにクリアボックスにしてしまうのもよいでしょう。
子どもには、そこに教科ごとにしまうよう、指導しましょう。

プリント類は、週に一度は親子で整理し、
いるものと、いらないものを峻別してください。

大切なのは、
見た目で提出物かどうかを判断できる体制にすること
子どもが整理しやすい環境を整えること
親が事後確認できるようにしておくこと
です。

さいごに

本当に大変です。
親がここまでしないといけないのか、というくらい、整理整頓を徹底させることは労力を要します。
ですが、ここまでは親の役目だと考えてください。
障害があろうとなかろうと、
そこまでして、少しずつ、子どもは自分で整理整頓が出来るようになります。
忘れ物も少なくなります。

その中で、コミュニケーションも生まれます。
子どもが今、何に困っているか、わかることも増えてきます。
子どもの「心のサイン」を見逃さないこと。
整理整頓に付き合うだけで、子どものいろんなところが見えてきますよ。

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ